第182回:ピックアップニュース「介護・保育・障害者施設、一体運営可能に」

第182回はニュースを取り上げます。
政府の規制改革推進会議は20日、介護、保育、障害者などの分野を超え、複数の福祉施設を一体的に運営できるようにする案を提起した。今後所管する厚生労働省と本格的な検討に入る。
複数の事業所のDX(デジタルトランスフォーメーション)などを進めやすくし、より質の高いサービスを提供できるよう規制緩和で後押しする。 同日開いた医療・介護分野の作業部会で議論した。
介護など福祉の現場は人材不足が深刻化している。規制改革推進会議は全国の福祉関係施設のDXの加速や人材を効果的に活用するマネジメントの徹底、経営の合理化が必要とみる。 経営能力のある人材が管理者に就くことで、複数の施設へのIT(情報技術)の導入やより効率的な施設運営が進むと見込む。食事など施設内の各種サービスを迅速に一体化できるとの期待もある。 現行制度では、介護などは施設や事業所ごとに管理者を置く必要がある。これまでは複数の施設を同一の社会福祉法人が所有することができても、同一の管理者を置くことは難しかった。介護施設の場合、同じ敷地内や近隣にある施設の管理業務を兼務する場合にも大きな制約がある。 通所の介護施設と障害者施設の場合、法令上は可能だが、国は「運営に支障がない場合」と定める。自治体の解釈次第で認められないこともあり、事業者が実際に一体運営に踏み切りにくい事実上の規制となっていた。 内閣府と厚労省が協議し、隣接する複数の施設を一体運営しても問題ないというような明確な基準づくりを検討する。安全性などサービスの質が落ちないよう、一定の要件を設けるとみられる。 隣り合う介護施設と保育施設を一体で運営することで、高齢者と子どもが交流できる「幼老複合施設」なども設けやすくなる。高齢者が子どもとふれあったり、一緒に運動したりする異世代交流で互いに学び合う機会が得られる。 厚労省の将来推計では介護人材は23年度に22万人、40年度には69万人不足する。このためセンサーやロボットなどを活用したDXを進め、介護施設での人員配置に関する規制を緩和する検討を始めている。規制改革推進会議は保育や障害者福祉など他分野の施設と一体で新たな取り組みを試みる事業者を増やしたい考えだ。 介護業界を巡っては、業務の効率化に向けて経営の大規模化や協業による効率化を求める声が出ている。財務省の財政制度等審議会(財務相の諮問機関)は4月、介護業界は小規模な事業者が多いことを踏まえ、業務効率化などのため「経営の大規模化や協働化が不可欠」との認識を示した。 複数の施設を網羅して管理できる人材を登用すれば内容が重なる業務を束ねて担うなど効率化も見込める。IT投資などの重複を減らすことも可能で、管理者の人員削減だけではない効果が期待できる。

参考記事

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO65318730Q2A021C2EP0000/?unlock=1

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